MMAでも成功するキックボクサーって!?

MMAの壁

平本蓮選手や久保優太選手、鈴木博昭選手など、MMAに挑戦するキックボクサーがどんどん出てきていますね。

かつて日本で隆盛を極めた格闘技団体PRIDEにも多くのキックボクサーがチャレンジしましたが、大きな成功を手にした選手は〝ミルコ・クロコップ選手〟ただ1人。

ミルコ氏は勿論キックボクシングでも超一流選手でしたが、当時のK-1にそれ以上の選手が存在したこともまた事実です。

その代表的な選手は〝ミスターパーフェクト〟ことアーネスト・ホースト氏。
戦績は3戦3敗、内容を見ても全て完敗でした。

ところが、ホースト氏がMMAでミルコ氏以上の好成績を収めることができたかと聞かれれば、
私の答えは、
絶対にあり得ない!!です。

K-1ルールでは3度も完勝しているはずのホースト氏がMMAに不向きで、ミルコ氏がMMAルールでトーナメント制覇などの快挙を成し遂げることができた理由、そのあたりを紐解いていきましょう。

目次

打撃の種類が違う

K-1などの立ち技格闘技では、タックルや投げからグラウンドの攻防へ移行することがありません。

首相撲という、組み合った状態から崩しを行ったり膝攻撃を入れたりする攻防はありますが、今は首相撲そのものがルール上制限されている大会も多くあります。

グラウンドへの移行がない分、タックルを警戒する必要がないためコンビネーションブローという波状攻撃に関してはとても豊富。
特にホースト氏は世界最高峰とも言えるコンビネーションを持っていました。

3度の対戦でもその明暗を分けたのはコンビネーションの質差、攻撃バリエーションの差、抽象的な表現にはなりますがキックボクサーとしての完成度の差です。

ミルコ氏の打撃は、ホースト氏ほどの完璧なコンビネーションブローとは違いました。

中間距離~遠距離を保ちつつ、鋭いジャブと前足での高速ローキックで牽制。
得意技の左ミドル・左ハイキックも身体全体をやや後ろに傾けつつ、相手の死角から叩き込むという流れ。

左ストレートやアッパーに関しても、ジャブからの繋ぎでワンツーというセオリーというよりも、相手の一瞬のスキを突き、ノーモーションでいきなりの左を振るう場面が多く見られました。

先述の通り、MMAにはタックルや組み付きからグラウンドへ移行しての攻防があります。
いくらコンビネーションが上手いとしても、相手との距離が近い状態でコンビネーション攻撃を仕掛けようとしても、その途中で組み付き倒されてしまいます。

グラウンド状態では勿論、柔術やレスリング出身選手に分がありますから、キックボクシング出身選手にとっての生命線は〝如何にして倒されることなく強い打撃を当て続けるか〟です。

コンビネーションで徐々に崩す攻撃よりも相手の一瞬のスキを突く攻撃を得意としていたミルコ氏がMMAで活躍できた理由はそこであり、逆に言うとコンビネーションの種類が豊富な〝完成されたキックボクサー〟との立ち技ルールでは勝てなかった理由でもあります。

両選手の打撃スキルとMMAでの適正

ミルコ氏の得意技

  • ノーモーションでの高速左ストレート単発
    キック適正70点、MMA適正100点
  • 距離が空いた状態での高速ハイキック
    キック適正90点、MMA適正100点
  • バックステップしながらの左カウンター
    キック適正80点、MMA適正100点
  • 全力で打つ高速左ミドル
    キック適正90点、MMA適正100点

ホースト氏の得意技

  • 至近距離での対角線コンビネーション
    キック適正100点、MMA適正20点
  • 頭と頭がくっつくほど近い距離からのハイキック
    キック適正100点、MMA適正50点
  • 攻撃をブロッキングしてからの右ローキック
    キック適正100点、MMA適正20点
  • 威力とスピードに緩急のある多彩な蹴り
    キック適正100点、MMA適正50点

点数は私の独断と偏見ではありますが、キックボクサーとしては未完だけどMMA向きの打撃と、完成されたキックボクサーの打撃という違いが分かると思います。

ディフェンスが違う

引き続きミルコ氏とホースト氏で例えていきますが、MMA適正の大きな要因としてディフェンスの違いがあります。

バックステップを多用し〝相手の攻撃を距離そのもので外す〟ことが多く見られたミルコ氏。
距離で外してからの左ストレートや左ミドルで相手に大きなダメージを与えていく場面は数多くありました。

その他にも、ボブ・サップ戦なんかまさしくそうですが、上体や頭を大きく振って〝被弾しないこと〟を軸にしたディフェンスも卓越したものがありましたね。

これ、MMAでも超有効です!!

✔ 相手がタックルに入れないように距離で外す
✔ 左右を振り回しながら組み付こうとして来ても、距離で外してカウンターの左ストレート
✔ 至近距離になっても上体を柔らかく使って躱し再び距離を取る

こうしたディフェンスを何度も何度も繰り返され、1発が重い打撃を何度も当てられては、組み技主体の選手はさぞ胃が痛くなったことでしょう。。。

さて、一方ホースト氏が多用していたディフェンスは〝豊富なブロッキング〟

相手の攻撃射程圏内に入り先に手を出させるのですが、完璧なブロッキングで相手の攻撃を弾き、打ち終わりに右ローキックを返します。
※膝の上あたりをピンポイントで蹴りますからね、これは超絶痛いですよ※

現在のキックボクサーでは野杁正明選手も同じように、豊富なブロッキングを使いますね。

あらゆる攻撃をしてもブロッキングで弾かれて、自分の攻撃が通らない時間が長く続くと確実にメンタルをやられてきます。

こうした鉄壁のディフェンスから徐々にペースを掴み、コツコツとダメージを与えていく作戦はとても素晴らしいです!
但し、MMAというフィールドになればそれは弱点にもなります。

✔ 薄く小さいオープンフィンガーグローブではブロッキングをすり抜けて被弾してしまう
✔ ガードを固めていれば足元が疎かになりやすく、タックルの餌食になりやすい
✔ ブロッキング主体のディフェンス相手には、パンチを振り回しながら簡単に組み付くことができる

キックボクシングでは超有効な卓越したディデンス技術が、MMAでは逆に弱点になってしまいがちなわけです。

まとめ

キックボクシング出身選手がMMAで活躍するためには

  • コンビネーションよりも、シンプルで速く力強い一発
  • 相手の攻撃をブロックするよりも、距離そのもので外す技術
  • テイクダウンされにくい打撃の種類と距離感

これら3つは必須条件と言えるでしょう。

プラス、持って生まれた運動神経(反応スピード)も同じく超重要ですけどね。

このような視点を持ってキックボクサーを観察してみると、MMAでも活躍できそうか否かをある程度判断できるのではないでしょうか。

参考にしてみてくださいね。

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この記事を書いた人

1990年代のPRIDE・K-1全盛期からずっと格闘技の大ファンを続けているビジネスマンです!
自身も空手やキックボクシングを経験したこともあり、格闘技から学んだことを仕事に活かしつつ日々奮闘している次第です。
格闘技に関することを楽しく、そして選手へのリスペクトを込めて書いていきたいと思います!

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